美作大学繊維分科会
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繊維分科会 産業活性化アドバイザー兼技術専門相談員遠藤勝治氏薮木伸一氏インタビュー

薮木伸一氏画像

インタビュー

産業活性化アドバイザー・技術専門相談員の薮木さんに話を伺いました。


この繊維部会は、平成12年に当時は美作女子大学と言っていたんですが、美作女子大学技術交流プラザが出来たときに、繊維縫製分科会でお年寄りの介護用品開発しようと言うことでスタートしました。何を作るかと言うことで、特別養護老人ホームなどの施設でお年寄りのお世話をされている方の思いを聞きながら、あるいは介護されているお年寄りの方にどういうものが使い勝手がいいのか、介護の世界で本当に必要とされているのはどういうものなのかというようなことを研究し開発してきました。

最初にミポロというポロシャツを手がけました。これは日本原荘という入所者が150人ほどの特別養護老人ホームがあるんですが、そこの1年間の購入品リストを見てみたら女性用のポロシャツが一番多かったんです。そのポロシャツに要求されるものは、着易く脱がせやすい、汚れにくく汚れが落ち易い、着ている人が陰鬱な気持ちにならない、この3点だと。そういうところをポイントにして、作ってはそれを日本原荘で着てもらって、試作しては試着して、そして改良してを、最終製品のミポロ4号になるまで、1年半かかりました。
そして、私たちがその完成品を持って、この地域にある特別養護老人ホームを訪れて販売して回りました。ものづくりは簡単に出来るんですが、販売ルートがあるかというのが大きな問題でして、それが無かったら企業はいくら作っても赤字になるわけです。だから、私たちは販売に一番力を入れて、最初150着くらい売れました。

それで、これならいけるということで、3色のカラー(藤色、ピンク、黄色)を作りました。しかも、袖の長さ、丈の長さは個人対応で、着られる方のサイズを測って作っていきました。
そうこうしているうちに、ユニバーサルデザインという発想が日本のあちこちで表れ始めて、私たちも他があまりやらないうちに、津山がユニバーサルデザインをやっているぞとみんなに知ってもらおうということで、今までやった介護衣料品開発をユニバーサルデザイン開発に切り替えて、今のミフラーや、ミーテミーテが出来たんです。
現在、加入企業は2社なんですが、東洋繊維興業が中心となって開発に取り組んでいます。開発に関しては企業の努力だと思うんです。東洋繊維興業の中島社長はうまくこの部会を活用して開発に取り組んでらっしゃると思うんですが、他の企業さんが中島社長と同じように、うまいこと部会を使って商品開発をしていくという手法を確立されて、もっともっと企業が増えて、いわゆる企業集積というかたちにならないと寂しいとおもっているんです。


−津山はユニバーサルデザイン開発を繊維分野でやっていますよと、外に向かって発信していくにはちょっと寂しいですよね。

企業が1社では、その企業にみんなで協力して作っているという感じにどうしてもなってしまいますね。
やっぱり産学官でやっているから、会に入ったらなにかメリットがある、入っただけでなにか仕事が入ってくるという安易な気持ちで入ってこられる方はすぐに辞めてしまわれるんです。中島社長みたいに、先生や民間の方のいろいろな知識をかりて、商品開発だけでなく販売までうまく会を利用してもらえば、そういう企業がふえていって欲しいなと思いますね。



−「民」の方にお話を聞いたときに、商品開発のことでアドバイスをするということを言っていたんですが、商品を作ってもどこに売っているのかわからないと言うようなことをおっしゃっていたんです。そういうことからも販売のほうの関係で、流通関係の方に入ってきていただいたらいいんじゃないかなと思うんですが。

そうですね。そういう意味ではまだわれわれの力が足りないと思いますね。
ミーテミーテにしても、ミフラーにしても、参画したいと言う声は実際に聞いているんですよ。ところが、時間との関係、日にちとの関係など、官と民とそして売るほうとの時間のセッティングが非常に難しいんです。そういう忙しい中で、腰をすえて話し合うと言うのは難しいですね。本当はそうあるべきなんでしょうけど。



−活性化していけば、企業も増えていき、さらに活性化するという良い循環に入っていけばいいということですね。

そうですね。それが難しいともおもうんですけどね。去年の12月14日に開催した美作大学技術交流プラザ祭りで3000人の集客をしたと言うことは、地産地消というテーマの中で各お店がそれぞれ認識してると思うんですよ。あれが、ひとつのスタートになるのかもしれない。私たちが声をかければ安心だ、安全だ、というね。そういうふうに皆さんに思っていただけたらそれがひとつのスタートですね。


−他の地域も同じことを悩みながらやってると思うんですが、他の地域よりもスタートが早かった分いろいろ見えてくる部分も多いと思うんですが。

そうですね、多様なだけに違ったこともやっていかないと、すぐに追いついて追い越されますから。ただ、真似されてもいいように、介護衣料品からユニバーサルデザインと言うひとつの殻を破ろうとしているときに、介護衣料品の機能と言うのも、先生に教えていただいているわけで。商品として出したら、翌日から真似されてしまうんですよ。だから、介護衣料からユニバーサルデザインということで、一般の方が着てもおしゃれだよ、と言う点ではやく一歩出たい。機能ももちろんなんですけどね。

本来なら、企業も介護衣料品を作っている会社や、おしゃれな衣類を作っている会社などいろいろな分野の繊維を扱っている会社が集まると、皆さん専門家が集まって一つのものを作っていくと言うのが理想なんですけど。現在メインに活動しているのは1社なんで、私たちの技術的なアドバイザー的な存在になっているのは正直言うとものたりないです。

産学連携というと、ともすればバイオとかハイテクとか、非常に高度な知識が必要だと思われがちなんですが、津山に関しては非常にローテクな地域おこしを目的にスタートしたんですよ。企業の側からやろうと手を上げてきたわけではないんで、そういう動機をおこさせるのが非常にむずかしいんで。だから、まだまだ成果は満足ではないんですが、企業の動機付けができ始めたと言うことは、他の地域で真似できるとことはまず無いと思います。
中小企業というのは、今日のこと、明日のことに一生懸命なわけで、先生と一緒に来年のことを考えるというのでは難しいと辞めていくんです。今日、明日のことはなりませんが、みんなで考えていこうという動機付けの部分が一番大切なんだと私は思います。
特に繊維業界では、下請け・孫請けが当たり前で、自分のところで商品を開発して売ろうと言う企業はほとんど無いと思うんです。その中で何かしようという思いがあれば、私たちを利用していただきたいですね。



−これが成功すればひとつのモデルになりますよね。今は、東洋繊維さんが中心に活動されていますが、ヒット商品が生まれれば、うちもやろうという企業さんも増えてくると思うんです。

繊維だけではなくて、グループはたくさんあるので、各グループが活性化してきているのは事実です。


−これからの目標は販売を強化していくとことですか?

販売も開発もですね。

一つの商品で億単位の柱が何本立てられるかと言うことですね。
3点の商品でこれだけやっていると大げさには言えないと思うんで。でも、グローバルと言うか、そういう観点では今やっていることは間違ってはいないと思います。


お忙しい中、本当にありがとうございました。


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