
人見先生は、商品を作るところから参加されているんですか?
「そうですね。自分で食べてみてどうか、とか、学生に食べさせてみたりとかそういうパイプ役みたいなことですね。
そういうかたちでは、少しずつですが多くの商品に関わっていると言うんですかね。
商品を持って来られると、食べてみて、この素材を使ったらいいんじゃないかとアドバイスしたりとか。
後は、商品の官能検査をしたり、大学で名前を考えたりですかね。」


食品分科会は種類も多くて、活発に活動されていますね。

「不況だから企業さんも必死でがんばっているんですよね。
ずっと同じものを作っていたのでは変わらないから、いいものを開発して自分たちの利益を上げないといけない。各企業さんで、そういう狙いもあると思うんです。
食品の方は、納豆屋さん、お菓子屋さん、お酒屋さん、農産物の生産者組合の人など、いろんな会社の方がおられて、自分の会社のものをいろんなかたちで開発しようとしているので、いろいろな商品が生まれるんですよ。
だから、それに全部携われたらいいんですけど、月1回の会議に持って来られて、味を見てここはこうした方がいいんじゃないのか、って提案したりです。」

先生は、「学」の立場から、味だけではなくて専門的な分野でもアドバイスされているんでしょうか。

「あんまり専門的なことはアドバイスできないんですが(笑)。
例えば、冷凍しても粘度が変わらない山の芋加工品を作ろうとしたときに、粘度計で測定したりとか。
ただ、うちにある粘度計は小さいものなので、測定できなかったんですよ。そういうときに、工業センターに行ったら計れるものがあるよ、と紹介したりとか。
もし自分で計測に行ければ自分で行こうっていう気持ちもあるんですが、大学もできる範囲とできない範囲があったり、また時間的に厳しいときもあったりで。でもそれも含めて楽しいですよ。」


「夢みのり」のブランドについて教えてください。

「技術交流プラザができたときに、いろいろ新開発をしようということで、『津山らーめん』を作ろうということになったんです。
で、その『津山らーめん』というのは、技術交流プラザの中のラーメン好きな人が集まって開発に取り組んでいたんですが、それに大学が加わって、大学で作り始めたんですよ。
そのときから、ブランドの名前を考えようと始まったんです。
それで、文字や言葉を考えて『つやま夢みのり』というブランドが生まれて、この技術交流プラザで開発された商品にブランドをつけて売り出そうということになったんです。
このブランドをつける基準は、『地産地消』ということで地元の食材を使っているということ、それと味ですね。
最終的にブランドをつけるかどうかは、食品部会の投票で決まります。」


今までで思い出深い商品といえばどんなものがありますか?

「一番最初は『津山らーめん』ですよね。
何に一番刺激されたかというと、ラーメンを開発しようとしていた人たち。
その人たちは自分の職業をちゃんと持っているのに、ただラーメンが好きだというだけで、すごく必死になっていたんですよ。
あの時は、アドバイスというのではなくて、自分も一緒になって楽しかったですね。
実際は、気づいたら出来上がっていたという感じなんです(笑)。
大学で販売してみたいとか、学生の反応を聞きたいとかいうのは、大学でないとできないところでしょ。そういうときには私も活躍できたなと思います。あれが最終的にできた段階では、本当に美味しいなぁと思いましたね。やっぱり、みんなの熱意ですよね。
大学祭で作って売ってみたりしたんですけど、すごくしんどいんですよね。でも、苦にはならない。むしろ楽しいっていうのは、みんなの熱意に刺激されたんでしょうね。
ただ、好きな人が集まってやっているというだけなんですけど、すごく楽しかったです。」

人見先生にとって、今、またはこれからのテーマを聞かせてください。

「たくさん関わると、どれもが中途半端になると思うんですよね。
一番最初、わさびシートを開発しようとしたときには、何が何でもこれだけは完成させようと思いました。きっといいものができるという思いはありましたね。
ただ、わさびって扱いがすごく難しいくて、現在でもうまく行ってないんです。だから、今はわさびシート作りですよね。いろいろなところに出回るようなシートを、自分の手で作りたいなと思っています。
それは、私の希望とか夢とかいうものですが、もっともっと関わってこのシートだけはぜひ完成させたいなと思います。
外との交流というのは、自分自身の研究にもすごくためになるものなんです。生産業者の方々から見ると、私なんかすごく頼りなく見えると思いますが、できる限り関わって行きたいと思いますね。
津山は小さい町だけど、小さい町だからというか、皆さんがとても一生懸命になられている。そういうところがとても好きですね。

ありがとうございました。

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